相続と成年後見制度②

以前、相当前になりますが、「相続と成年後見制度」というタイトルでブログを書いたことがあります。

私は、高齢者や障害者を支援する活動に力を入れている関係上、成年後見人に就任している件数もそれなりにあることから、改めて、成年後見制度について書いてみたいと思います。

裁判所に、成年後見の申し立てがあった際、裁判所としては、誰を成年後見人とするのか、決めなければなりません。

その際、申立書に候補者の記載があれば、その方にそのまま就任をしてもらうこともありますが、案件の内容によって、より柔軟に裁判所のほうで決定をしているのが実情です。

例えば、ご本人(成年後見人を付けることになる、被後見人と呼ばれる方)が相続となる、相続手続きが必要になるケースなどは、成年後見人には非常に専門的な業務が期待されますので、弁護士が選ばれるケースが多いです。

その際に、実際に成年後見人となった弁護士は、ご本人の相続手続きをする上で、ご本人から、弁護士費用をもらってもよいでしょうか?

これは、基本的には許されません。

何故なら、あくまで成年後見人は、ご本人に代わって相続手続きを行うわけですから、誤解を恐れずにわかりやすく言うと、本人と同視されるべき存在です。本人と同じ立場なのですから、自身の相続手続きについて、報酬など発生しないはずです。

ただし、実際には、成年後見人は、ご本人の財産状況に応じて、報酬をもらうことができます(裁判所が金額を決定します)。その際に、相続手続きを行ったこと、それによってご本人の財産が増えたということを評価されれば、報酬という形で、相続手続きを行ったことに対する対価をもらうことになります(ただし、建前としては、後見業務の一つとしての、相続手続きに対する報酬になります。)。

その他に、弁護士が成年後見人に選ばれるケースは、ご本人が多額の財産を持っているケースや、上記の相続手続きのような法的処理が必要となるケース、さらには、親族間でトラブルが生じており、後見業務が困難になる虞があるケースなどと言われています。


この記事の著者

塚谷翔

弁護士

塚谷翔

相続は、親族間の問題であるからこそ根深い対立を招きがちです。早い段階で専門家に依頼することが重要です。迷ったら是非一度相談してください。私は、サッカーと映画鑑賞をこよなく愛しており、映画の評論をしちゃうような弁護士を目指しています。

札幌 税理士法人ノースブレーン

ページトップ