法定相続人の一部に判断能力の不十分な方がいる場合②

前回,遺産分割協議を進めるにあたり,法定相続人の一部に認知症等の事情により判断能力の不十分な方がいる場合には,その判断能力の程度によっては,その方のために後見人を選任して,その後見人との間で協議を進める必要があるとお伝えしました。

もっとも,選任された後見人が法定相続人である場合,例えば,父親が死亡し,法定相続人が母親と子の2人の場合で,母親が認知症であったため後見人として子が選任された場合,その子は,法定相続人である母親の代理人たる地位も併有することになり,遺産分割協議が公正に進められなくなるおそれが生じます。このケースでは,子と母はそれぞれ2分の1ずつの法定相続分を有していますが,もしそのまま協議を進めると,子は母親の取り分を2分の1よりも少なくして,自分の取り分を2分の1よりも多くしてしまうことができてしまうことになり,適正な分割が期待できなくなるおそれが生じます。

そのため,このような法定相続人間で利害が衝突するいわゆる利益相反の場合には,他の法定相続人の後見人に選任された法定相続人は,遺産分割協議を進めるための自分の身代わりとして特別代理人を選任する必要が生じてくることになります。


この記事の著者

柴田良

弁護士

柴田良

以前勤務していた自動車販売会社では約6年間、営業職としてさまざまな立場の方と日々接してきました。この経験を生かして、相続に関するお悩みについても依頼者の方の立場に立ち親身になって考えていきたいと思っております。お気軽にご相談下さい。

札幌 税理士法人ノースブレーン

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