相続放棄について④相続放棄する場合の相続財産の取り扱い

相続放棄の相談をお受けしていて、よくご質問があるのが、「相続放棄をすると決めたら被相続人の財産には一切手を付けてはいけないのか?」ということです。

 被相続人の財産を使ってしまったり、受け取ってしまうと単純承認したとみなされ、相続放棄ができなくなることもあるため、慎重な判断が求められます。

 原則としては、被相続人の財産を使うことは認められませんが、被相続人の葬儀にかかった費用については相続財産から支出しても良いとされています。ただし、不相当に高額な葬儀を行うのは控えておいた方がよいでしょう。

 受け取って良いかどうかの判断に迷うものとしては、下記のようなものがあります。

①生命保険...契約内容をよく確認する必要があります。被相続人に支払われるものは受け取れませんが、遺族自身が直接受取人となる契約になっていれば、保険金を受け取れる可能性があります。

②未支給年金...未支給年金とは、死亡した年金受給者に支給すべきなのに、まだ支給されていなかった年金のことです。本人の財産とも考えられますが、本人及び一定の家族に対し支給されるものなので、死亡した年金受給者の「配偶者、子、父母、孫、祖父母、または兄弟姉妹」であって、「死亡の当時に生計が同一」という条件にあてはまっていれば、遺族固有の権利として受け取ることができます。

③高額療養費の還付...高額療養費の還付制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。医療費を被相続人の財産で支払っていたのであれば受け取れませんが、遺族が支払っていれば受け取ることができます。

上記は一例です。判断に迷った場合には、取り返しのつかない事態を招かないためにも、事前に給付先の機関や専門家に相談することをお勧めします。


この記事の著者

渡邉千穂

司法書士

渡邉千穂

所内で一番の若手です。このフレッシュさを活かして、明るく親しみやすい司法書士でありたいと思っています。大好きな地元である北海道の皆様に信頼していただけるよう頑張ります。

札幌 税理士法人ノースブレーン

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