言・生前対策について

遺言・生前対策について

遺言

遺言を作成することは、最も有効かつ重要な生前対策の手段です。遺言は法律で形式が定められていますし、遺留分など民法の決まりを考慮しながら書く必要がありますので、法律の専門家と相談しながら作成することをおすすめします。

遺言を特に残すべき人

次の項目に1つでも当てはまる方は、できるだけ早く遺言を作成することをおすすめします。自分に思い当たるところがないかチェックしてみましょう。

相続人同士が不仲

相続人の間で生前贈与の金額に
差がついている

特定の相続人に多くを遺したいと
考えている

相続人以外の人に遺産をあげたい

子どもがいない

内縁の配偶者がいる

現在の配偶者以外の相手との
子どもがいる

認知症など意思能力に問題がある
相続人がいる

音信が途絶えた相続人がいる

不動産の価値が高く、現預金が少ない

財産を社会、地域や福祉活動などに
役立てたい

遺言のメリット

遺言を作成することのメリットはたくさんありますが、どなたにも共通するメリットは次の3つです。

自分の望むように財産を分けられる

遺言がない場合は、法定相続分を基準にして、相続人全員の遺産分割協議で財産の分け方を決めることになります。しかし、大きな財産が不動産だった場合、全員で分けるには売却してお金に変えなくてはならないケースが少なくありません。思い入れの強い不動産は誰か1人に引き継いでほしいと思っているなら、遺言にそのように書いておく必要があります。他にも、献身的に介護してくれた人に財産を多く残してあげたいというようなときも、遺言に書いておけば実現することができます。

遺産分割協議が必要なくなる

遺産分割協議は、相続人全員の同意がないと成立しません。1人でも反対の人がいると遺産相続争いに発展し、最終的に遺産分割調停(裁判所の手続き)が何年にも渡って続いてしまうケースがあります。「遺産相続争いが起きるのはお金持ちの家の話」と考える方が多いですが、2019年の司法統計によると、裁判所の遺産分割事件のおよそ1/3が財産額1,000万円以下で、多額の財産がある場合に限った話ではないことがわかります。
また、相続人の中に音信不通な人や認知症の人がいると、その人の同意を得るのは簡単ではありません。不在者財産管理人や成年後見人など裁判所の手続きが必要となってしまい、大変な時間と手間がかかることになります。
遺言があれば、遺産分割協議が必要ありませんので、相続手続きを短期間で終わらせることができます。

相続手続きが簡単になる

銀行預金や不動産など、財産を相続するにはさまざまな窓口で手続きをする必要があります。そして、それぞれの窓口で多くの書類や相続人全員の捺印を要求されます。しかし、遺言があれば、戸籍や印鑑証明書が一部不要になったり、窓口に提出する書類に署名、捺印する人が1人だけで済んだり、手続きがとても簡単になります。

自筆証書遺言

本人が自分で書く遺言を、自筆証書遺言といいます。民法の決まりが守られていないと無効なものになってしまうので、十分に気をつけましょう。

01

守らなければ
ならないこと

全文を自筆で書く

パソコンで書いたものを印刷したり、誰かに代わりに書いてもらったものは遺言として認められません。ただし、財産目録についてはパソコンで作成したり、登記事項証明書や通帳のコピー等を使うことができます。自筆によらない財産目録についてはページ毎(両面印刷である場合には両面とも)に署名押印をする必要があります。

署名、押印をする

印鑑は、認印や拇印でもかまいません。

日付を書く

遺言は、1日でも後に書いたものが優先されますので、いつ書いたかがとても重要です。「1月吉日」など曖昧だと無効になってしまうので、年月日を明確に書きましょう。

訂正した場合は、法律どおりに処理する

民法では、訂正した場合は、その場所を明確に示して変更した旨を記載して署名し、さらに訂正した場所に押印しなければならない、と決められています。訂正の方法はややこしいので、まちがえたページを全部書き直した方がいいかもしれません。

02

自筆証書遺言の
メリット・デメリット

メリット

  • 費用がかからない
  • 遺言の内容を誰にも知られることがない
  • いつでも気軽に書く(書き換える)ことができる

デメリット

  • 身体的な問題で字が書けない人は作成できない
  • 遺言が発見されない可能性がある
  • 相続手続きを始める前に、裁判所の検認が必要

03

遺言保管制度

令和2年7月10日から、法務局で自筆証書を保管してくれる制度が始まりました。この制度を利用すると、遺言の紛失や改ざんのリスクがなくなる、裁判所の検認が不要となるなどのメリットがあります。
ただし、保管を受け付けている法務局が限られること、遺言者や相続人本人が法務局に出向かなければならないなど、まだまだ使いづらい部分も多くあり、今後の改善が望まれるところです。

詳しくは法務省のウェブサイトをご覧ください。
法務省 自筆証書遺言保管制度について

公正証書遺言

本人に代わって、公証役場の公証人が作成するものを公正証書遺言といいます。自分の希望を公証人に伝えれば、それに基づいて公証人が法律的に整った文章にしてくれますし、原本は公証人が保管してくれるので、書き方や遺言の保管に不安がある人は利用をおすすめします。

01

公正証書遺言作成の流れ

1

公証役場に連絡し、事前に公証人と打ち合わせし、遺言の内容や作成する日時を決める

2

証人になる人2名と一緒に公証役場へ出向く(公証人に自宅まで出張してもらうこともできます)

3

遺言の内容を公証人に口述する(身体的に障害がある方は、手話通訳や筆談が利用できます)

4

公証人が口述内容を筆記し、これを本人と証人に読み聞かせ、または閲覧させる

5

本人および証人が筆記の正確なことを承認したうえで、署名捺印する

6

公証人が署名捺印する

7

公正証書遺言の原本を公証役場で保管し、正本と謄本が本人に渡される

02

公正証書の
メリットとデメリット

メリット

  • 公証人が違法性や無効な内容がないことをチェックしてくれる
  • 家庭裁判所の検認が不要
  • 相続人が公証役場で検索して見つけることができる

デメリット

  • 費用が掛かる 日本公証人連合会 手数料
  • 証人を2人用意しなくてはならない(相続人や受遺者は証人になれません)
  • 内容を公証人と2人の証人に知られてしまう

遺言執行者

遺言執行者とは、預貯金の解約、不動産登記、財産の分配など、遺言の内容を実現するための手続きを代行する人で、遺言の中で予め定めておくことができます。子の認知など特殊な事項は遺言執行者がいないとできませんが、一般的な相続手続きは遺言執行者がいなくても進めることができます。しかし、遺言執行者がいるとさまざまな手続きがより簡単になるケースも多いので、遺言を作成する際には一度検討してみることをおすすめします。一般的には、実際に財産を相続する人や弁護士、司法書士などの法律専門家を遺言執行者に指定することが多いです。
ただし、遺言執行者には相続人全員に相続財産を開示する義務があります。他の相続人に財産を知られたくないような場合には、あえて遺言執行者を指定しない方がよいこともあります。どうしようか迷われる方は、遺言作成前に法律専門家に相談するのがよいでしょう。

遺言作成を専門家に依頼したら何をしてくれるのか

遺言作成を依頼されたら、専門家は何をするのでしょうか。自筆証書遺言は自分で書くものですし、公正証書遺言は公証人が作成するものです。ですから、専門家は遺言作成のサポートをすることが業務となります。具体的には、公正証書遺言の場合でいうと、文案作成はもちろんのこと公証人との事前調整もすべて専門家がおこないます。また、手続き的なサポートだけをするわけではありません。弁護士や司法書士は、家族関係や財産内容を確認し、遺留分などの法律的な問題点が存在しないかを検討し、本人の想いを実現するための最善の方法を考えます。税理士であれば、相続税の節税や納税資金を確保するための対策を考えることができます。場合によっては、遺言以外の方法を提案することもあります。そういった意味で、専門家は相続や生前対策の総合コンサルタントというのが適した表現かもしれません。遺言を作ろうかなと思った方は、一度専門家に相談することをおすすめします。

札幌駅前相続サポートセンター

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