2015.10.02
相続の際の弁護士の介入について
相続が発生した際、どのような場合に、弁護士が介入すべきなのでしょうか。
相続人間に特に争いがない場合、弁護士が介入する必要がないことが多いです(遺産分割協議書の作成代行という業務はできますが、これは弁護士でなくとも可能です)。
相続の際、弁護士が介入すべきケースは、専ら相続人間に争いがあるケースです。
そして、その争いのあるケースというのは、千差万別です。
遺産の範囲に争いがあるケースや、生前に被相続人から特定の相続人に対して贈与があったと主張しているケース、生前に被相続人に対して特別に寄与をしたと主張している相続人がいるケース、等々。
当事者間で、その争いをまとめることができたらよいのですが、そのようなときに、相続人以外の親族等(相続人の配偶者等)が出てきて、かえってこじれてしまうことが多々あります。
できれば、そのようになる前に、専門家である弁護士に依頼をすべきです。
弁護士は法律の専門家ですので、具体的な事案の中で、どのような解決が最も適切なのか、把握することができます。
そのため、どうしても感情的になりがちな相続手続きを、客観的に整理することが可能です。
もちろん、弁護士は仲裁者ではなく、ある特定の相続人の代理人ですので、その特定の代理人にとって最も良い解決を目指すことになります。
ただ、僕は、相続手続きの際に特に意識していることとして、依頼者の最大限の利益を目指しながら、相続手続き全体をコントロールするように努めています。
法律的にはその主張は難しいですとか、このような分割方法が適切ですとか、専門家として依頼者以外の相続人にも、しっかりと示すことが重要と考えます。
すでにこじれてしまっている相続ケースでも、弁護士介入によって整理され解決できたケースは多々ありますので、相続発生後は弁護士への相談をお勧めいたします。
(弁護士 塚谷翔)