相続と成年後見制度

今回は、遺産分割手続きと成年後見制度との関係について話します。

成年後見制度というのは、簡単にいうと、認知症、知的障害、精神障害などによって物事を判断する能力が十分でない方について、その方の権利を守る援助者(成年後見人等)を選ぶことで、その方を法律的に支援する制度です。

相続人の中に、そのような物事を判断する能力がない方がいた場合、そのままでは遺産分割協議が(法律的には)できません。

わかりやすい例ですと、寝たきりで意思を示すことができない状況にある方(本人とします)が相続人の場合、本人を入れると話し合いが進まず、遺産を具体的にどのように分割するのかが決められません(にもかかわらず強引に本人の印鑑を用いて代筆等してしまうと、その協議書は無効になってしまいます)。

そのような場合、成年後見制度を利用する必要があります。

具体的には、家庭裁判所に4親等内の親族が、成年後見の申し立てをすることになります(詳しくは長くなるので省きます。家庭裁判所のHP等をご覧いただければ、詳細がわかるかと思われます)。

その後、家庭裁判所で審理を行い、最終的に本人に成年後見人が就くと、その成年後見人が、本人に代わって遺産分割協議に参加できることになります。

では、本人は判断する能力がないのに、成年後見人はどのように協議に参加するのでしょうか?

これは、非常に難しいのですが、ある程度本人と話ができるのであれば話をして、本人の意思を推測したり、それもできなければ、本人にとって何が一番良いのかを合理的に推認して、判断をすることになります。

この、本人の合理的な意思の推認というのは、とても難しい判断を迫られることもあるため、遺産分割手続きに関連して成年後見制度を利用する場合、成年後見人には”、弁護士などの専門職が家庭裁判所によって選ばれることになります。

遺産分割手続には高齢の方が関与することが多いことから、実は成年後見制度と密接な関連があります。

もし、このあたりでお困りの場合には、できるだけ早い段階で専門家への相談を行い、無駄なく手続きをすすめることをお勧めいたします。

 

 


この記事の著者

塚谷翔

弁護士

塚谷翔

相続は、親族間の問題であるからこそ根深い対立を招きがちです。早い段階で専門家に依頼することが重要です。迷ったら是非一度相談してください。私は、サッカーと映画鑑賞をこよなく愛しており、映画の評論をしちゃうような弁護士を目指しています。

札幌 税理士法人ノースブレーン

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